ザクセン地方 Sachsen

北緯51度には、ボンの南に当たるライン川沿岸の最後のぶどう畑がありますが、まさに同じ緯度に、エルベ川沿岸の最初のぶどう畑があります。ザクセン地方はドイツ国内で最北東に位置するワイン産地で、特に白ワインにおいて最高品質のものが生産されています。大陸性気候が支配的な地域における、特に恵まれた気候がワインに表現されています。充分な降水量に恵まれ、大陸性気候ではあっても、年間日照時間平均が高く、ぶどうの成長と成熟に理想的な条件が揃っています。同地方のぶどう畑は主にエルベ川の北東岸にあります。ワインはザーレ・ウンストルート地方のものより酸味がまろやかで、ニュートラルな味わいです。


ロケーション

ドレスデンの西側と東側のエルベ川流域、マイセンとピルナの間にぶどう栽培地が広がっている。ザクセン地方にはこのほかエルスタータールというベライヒに、シュリーベン(ブランデンブルク州)とイエッセン(ザクセン・アンハルト州)の2地域があります。

気候

ザクセン地方は大陸性気候が支配的で、夏は暑く冬は寒い地域です。冬場の霜のリスクは非常に大きく、「自然に収量が低下」します。生育期間は長期にわたり、充分な降水量があります。同地方は周囲のエルツ山地、ゼクシッシャー・シュヴァイツ(ザクセン・スイス)、ラウジッツアー・ベルクラントといったミッテルゲビルゲ(山岳地帯)に守られています。温暖な日中の気温と夜間の低気温による温度差、1600時間もの年間日照時間に恵まれ、良質のぶどうが収穫できます。年間平均気温は約9度に達します。エルベ川沿いの高台にあるテラス式の畑は、川が熱と水分を蓄えるため、優れたミクロクリマとなっています。


土壌

ザクセン地方のワインの独特の個性を決定づけているのが、ぶどう畑ごとに大きく異なる土壌です。エルベ川渓谷には、様々な地層があります。石炭紀のエルツ山地の褶曲(しゅうきょく)段階において、マイセンの花崗岩・閃長岩の塊状岩が表面地層に入り込みました。砂岩やプレーナー層は白亜紀のもので、閃長岩の層を部分的に覆っています。これらの土壌に、レスや川が運んだ土砂など、氷河期と最終氷期の堆積物が、部分的に重なっています。

ぶどう品種

ザクセン地方では主に白ワイン品種が栽培されています。白ワイン品種と赤ワイン品種の栽培比率は80%:20%です。白ワイン品種では、ミュラー・トゥルガウ、リースリング、ヴァイスブルグンダーが主に栽培されています。ザクセン地方ならではの名産にゴールドリースリング(ゴルトリースリング)があります。リースリングとクルティリエの交配で、ザクセン地方だけで栽培が認可されています。ザクセン地方以外では、モーゼル地方でのみ栽培されているエルプリングも珍しい品種です。ザクセン地方のワインはドイツ全体のワイン生産量の1%に満たないため、店舗での購入はほとんど不可能です。

ザクセン地方早わかり

ロケーション エルプタール(エルベ峡谷)とその支流の峡谷、ピルナ、ディースバー=ゾイスリッツ間の55キロに及ぶ。他にエルスタータールというベライヒがある
気候 穏やかな年間平均気温、平均的な降水量
土壌 多様な土壌。花崗岩、花崗・斑岩風化土壌からローム、レス、砂岩まで
ぶどう畑 約500ヘクタール、ベライヒ2、総合畑4、単一畑17
ぶどう品種 ミュラー・トゥルガウ、リースリング、ヴァイスブルグンダー