白ぶどう品種

Riesling

リースリング

リースリングはドイツワインを代表する品種であり、ドイツのワイン産業を支える主力品種です。栽培面積は23.300ヘクタールに及んでいます。ドイツは世界最大のリースリング栽培面積を誇り、2位の米国、3位のオーストラリアを大きく引き離しています。品種の由来は、今日に至るまで明らかになっていませんが、おそらくヴァイサー・ホイニッシュとヴィーティス・ジルヴェストリスの自然交雑、あるいはヴィーティス・ジルヴェストリスとトラミーナの交配品種とヴァイサー・ホイニッシュの自然交雑ではないかと推測されています。リースリングの名称の由来も今なお不明です。花ぶるい(Verrieseln/フェアリーゼルン)、鋭い酸味(reißender Säure/ライセンダー・ゾイレ)、穂木(edles Reis/エードレス・ライス)あるいは濃い色の木(Rusling/ルスリング)などと関連性があるかもしれません。リースリングに言及している文献で世界最古のものは、1435年のリュッセルスハイム市のある会計明細書です。国際的には「ライン・リースリング」の名で知られていますが、バーデン地方ではリースリングから造られたワインを「クリンゲルベルガー(Klingelberger)」と言います。オーストリア、イタリア、スロヴェニアなどで栽培されているヴェルシュリースリングと、ドイツの「ヴァイサー・リースリング」の間には関連性はありません。

Müller-Thurgau (Rivaner)

ミュラー・トゥルガウ(リヴァーナー)

ミュラー・トゥルガウはシンプルで飲みやすいワインです。若々しく、軽やかでフレッシュな味わいは、日々のワインにぴったりです。この品種はスイス、トゥルガウ州出身のヘルマン・ミュラー教授(1850〜1928年)が交配したもので、彼の名がつけられています。ミュラー教授は、ドイツのガイゼンハイム研究所でこの品種を育てていました。かつてはリースリングとジルヴァーナーの交配と言われていましたが、最新の遺伝子解析により、リースリングとマドレーヌ・ロワイヤルの交配であることがわかりました。

Silvaner

ジルヴァーナー

ジルヴァーナーは香りが控えめで、酸味が柔らかな品種です。厚みのあるジルヴァーナーは重厚な地方料理にふさわしく、繊細なジルヴァーナーはコース料理などのお供に最適です。ジルヴァーナーはおそらくトラミーナとエスターライヒッシュ・ヴァイス(オーストリアの白の土着品種)の自然交配ではないかと言われています。

Kerner

ケルナー

ケルナーはトロリンガーとリースリングの交配品種です。ヴァインスベルクの詩人で医官だったユリウス・ケルナー(1786〜1862年)にちなんで命名されました。

Weißer Burgunder

ヴァイスブルグンダー

辛口仕立てで、フレッシュな酸味と繊細なフルーティさを併せ持つヴァイスブルグンダーは理想的な食中酒でもあり、夏向きの軽快なワインです。グラウブルグンダーはブラウアー・シュペートブルグンダーの突然変異ですが、ヴァイスブルグンダーは、この突然変異がさらに進行したものと考えられています。

Grauer Burgunder

グラウブルグンダー

グラウブルグンダーはドイツにおける優良品種のひとつです。ブラウアー・シュペートブルグンダー(シュペートブルグンダー)の突然変異種で、かつてルーレンダーと呼ばれていました。

Bacchus

バッフス

バッフスは1930年代にペーター・モリオとジーベルディンゲンの連邦ぶどう栽培研究所のフスフェルト博士が共同で、ジルヴァーナーとリースリングの交配品種をさらにミュラー・トゥルガウと交配し、生み出した品種です。バッフスはフローラルな香りとマスカットに似た香りを持ち、ショイレーベを思い起こさせます。

Scheurebe

ショイレーベ

ショイレーベは無名の野生ぶどうとリースリングの掛け合せから誕生したのではないかと言われています。力強い香りはブラックカラント(カシス)、桃、熟した洋梨を連想させます。ショイレーベは、前菜からデザートに至るまで、アロマティックでスパイシーな料理のお供に最適です。

Gutedel

グートエーデル

グートエーデルは5000年の歴史を持つ、世界で最も古い栽培用ぶどうの1つです。ルーツはパレスチナ地方ではないかと言われ、5000年前にナイル川中流地域で栽培されていたと推測されています。その後は、海洋民族であるフェニキア人によってあちこちにもたらされたと言われています。16世紀初頭には、フランスのワイン産地でも栽培されるようになりました。マコンの南西にシャスラという村があり、グートエーデルのフランス名がシャスラであるため、この村の周囲で栽培されていたのではないかと言われています。確実にわかっているのは、17世紀初頭からドイツで栽培されていたことです。ヴュルテンベルク地方とフランケン地方で栽培が始まり、100年後にはザクセン地方とフライブルクの南に位置するマルクグレーフラーラントでも栽培されるようになりました。1780年にフリードリヒ・フォン・バーデン辺境伯がレマン湖のほとりの有名なワイン産地ヴェヴェイからグートエーデルの苗を持ち込んでからは、広域で栽培されるようになりました。

Gewürztraminer(Roter Traminer)

ゲヴュルツトラミーナ(ローター・トラミーナ)

ローター・トラミーナは今日栽培されているワイン用ぶどうのうち、最も古い品種のひとつです。研究者たちは、そのルーツがギリシャではないかと推測しています。南チロル地方のトラミンと言う村が品種名の由来ではないかという議論もあります。同地方では、15世紀にトラミーナ種のワインがミサ用として修道院に届けられていました。ドイツでは16世紀から栽培されていたことが歴史的文献からわかっています。当時この品種の栽培を奨励する動きがあったのです。また、18世紀のローター・トラミーナの育種に関する報告書によると、当時すでにぶどう樹の選別が行われていたようです。リースリングと収量の多い他品種とローター・トラミーナとは、伝統的に「ゲミッシュター・ザッツ(混植)」と言って、同じ畑で一緒に栽培されていました。収量が不安定であることから、過去においても広域で栽培されることはありませんでした。欧州経済共同体の規定によりローター・トラミーナの名称で分類された品種だけが、ドイツでゲヴュルツトラミーナの名称を使用できます。バーデン地方ではクレーヴナー(Clevner)という名称も認められています。

Elbling

エルプリング

エルプリングはヨーロッパの栽培ぶどうのうち、もっとも古い白品種のひとつです。ローマ人はこのぶどうを「ヴィティス・アルバ(Vitis alba)」すなわち「白いぶどう」と名付けました。言語学者は「アルバ」という語が「アルベン」から「エルベン」、さらに「エルプリング」と変化したと指摘しています。歴史家たちの見解によれば、ローマ人が2000年前、エルプリングをガリア経由でドイツにもたらしたとのことです。中世から19世紀に至るまでの数百年間、エルプリングはドイツと近隣諸国、東欧に至る広域で栽培されていました。十分の一税の廃止が、収量の多いエルプリングの衰退の一因ではないかと考えられています。エルプリングは今日のドイツのワインシーンにおいて、希少価値を持つ品種で、モーゼル地方でだけ栽培が認可されています。オーバーモーゼルでは、2000年の栽培史を誇ります。

Chardonnay

シャルドネ

他の多くの品種同様、シャルドネのルーツも西アジアです。ワイン文化の伝播とともに、フランスへもたらされ、ブルゴーニュ(ブルグンド)地方に根づき、そこが新しい故郷となりました。トゥールニュ近郊に「シャルドネ」と呼ばれる村があり、名前の由来になったと言われます。ドイツで栽培が認可されたのは1991年のことでした。

Sauvignon Blanc

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは主に南西フランスで栽培されている品種です。ここ数十年にわたり、世界中で栽培されるようになり、アルゼンチン、チリ、ニュージーランド、イタリアに広まったほか、カリフォルニアと南アフリカでも成功をおさめています。全世界における総栽培面積は約80.000ヘクタールに達しており、世界で最も多く栽培されている白品種のひとつとなっています。古い記録によると、ソーヴィニヨン・ブランは紀元280年頃からロワール峡谷で栽培されていたことがわかっており、そこから各地に広まったと言われています。ソーヴィニヨン・ブランはバーデン地方のドゥルバッハでも、伝統的に栽培されてきました。ツォルン・フォン・ブーラッハ伯爵が所有していたヴォルフ・メッテルニヒ伯爵家醸造所では、1830年以降シュロス・グロールと呼ばれる畑に、シャトー・ディケム由来のぶどうを植えていました。できあがったワインは1980年代に至るまで「ヴァイサー・ボルドー」(白いボルドー)という名称で販売することが、特別に認可されていました。同醸造所は2006年に初めてトロッケンベーレンアウスレーゼの収穫に成功しました。