ドイツのワイン産業は過去数年において、非常にダイナミックな発展を遂げました。この発展に大きく貢献したのが、ドイツのワイン産業界において、徐々に重要な役割を担いつつある若手世代の醸造家たちです。

ワインの国ドイツの最新動向

07/08/2016

ドイツのワイン産業は過去数年において、非常にダイナミックな発展を遂げました。この発展に大きく貢献したのが、ドイツのワイン産業界において、徐々に重要な役割を担いつつある若手世代の醸造家たちです。

10年前、ドイツ・ワインインスティトゥート(DWI)が立ち上げた若手醸造家団体「Generation Riesling(ジェネレーション・リースリング)」のメンバーは、現在約500名に増えています。メンバーはいずれもハイレベルの教育課程を修め、国際感覚を持ち合わせ、親世代の経験の蓄積を尊重しつつ、新たな道を模索しています。彼ら新世代の醸造家たちは、ぶどう畑においても、セラーにおいても、ワインと自然に優しい手法に重点を置いています。また、時代に即したコミュニケーション手段をとるほか、インテリジェント・マーケティングを実践し、若い世代の消費者の感覚に訴えるエティケット・デザイン、モダンなヴィノテーク、イヴェントなどを実現しています。

オーガニックワインが増加

ドイツのワイン生産者の間では、ビオ(エコ)基準、あるいはビオディナミ基準でぶどうを栽培しているところが増えています。過去10年において、オーガニックワインの作付面積は3倍以上に増えました。DWI社長モニカ・ロイレは「現在、ドイツのオーガニックワイン用のぶどう作付面積は  8000ヘクタールを越え、ぶどう畑の総面積の約8%に達しています」とコメントしています。多くの醸造所がオーガニック基準でワインを生産しているにもかかわらず、その事実を広く宣伝していないのは、オーガニック基準が彼らにとって自明のことであるからなのです。

オーセンティックなワインが求められる

消費者はワイン選びの際に、品質、地域性、そしてオーセンティックな本物志向の商品を求めるようになっています。この傾向は、ワインをできるだけ自然なかたちで造ろうとしているドイツのワイン生産者側のトレンドとも一致しています。

「監督しつつ手を加えない」という姿勢が、セラーワークにおける信条となりつつあります。自然発酵で造られ、テロワールすなわちワインの由来が、造り手の個性と同様に味わいにおいて表現されている個性的なワインは、今やドイツのハイエンド・ワインの品質標準となっています。最新ヴィンテージである2015年産のワインは、幸運にも最高レベルの品質となり、本物志向のワインスタイルの秀逸な基礎を築いています。

ライトな食事にはライトなワインを

ドイツワインの造り手たちが指標とする、スレンダーでエレガントな低アルコールのワインは、国際市場においてますます重要性が高まっています。ドイツのワイン生産地域は世界的見て最北端に位置し、ぶどうは長い時間をかけて成熟し、その間に非常に多くのアロマ成分が形成されます。そのため、白ワインは軽快でありながらも、充実した味わいを持ち、フレッシュな果実酸とぶどう品種特有のフレーバーが快いハーモニーを奏でます。ドイツの白はライトな食事、ヘルシーな食事の優れたパートナーです。

人気上昇中のヴァイスブルグンダーとグラウブルグンダー

ドイツでは、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)とグラウブルグンダー(ピノ・グリ)の作付面積が過去数年にわたり大幅に増加しています。ヴァイスブルグンダーの作付面積は4800ヘクタールに達し、世界のピノ・ブラン作付面積ランキングの第1位に、グラウブルグンダーの作付面積は5600ヘクタールで、世界のピノ・グリ作付面積ランキングの第2位に躍り出ています。

いずれの品種も、様々な料理に合わせやすく、食中ワインとしての人気が非常に高まっています。両品種ともに果実酸がマイルドであるため、リースリング以外のワインを求める飲み手に向く商品です。ヴァイスブルグンダーもグラウブルグンダーも、フルーティさを強調したベーシックなものから、バリックで仕込んだ充実した味わいのハイクラスのものまで、様々なスタイルのものが造られています。

今や国際競争力を有するドイツの赤ワイン

生産者による品質管理の改善と気候変動により、ドイツの赤ワインの品質は過去数年にわたってますます向上し、国際的なワインコンクールにおいて、高い評価を得るようになっています。赤ワイン品種はドイツのぶどうの作付面積の約3分の1を占めるまでとなっています。中でも最も多く栽培されているのがシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)で、作付面積は約12000ヘクタールに達し、世界のピノ・ノワール作付面積ランキングの第3位となっています。シュペートブルグンダーはリースリングと同様「クール・クライメイト(冷涼気候)」に適した品種で、ドイツはまさに宿命的とも言える産地であり、長期熟成が可能な偉大なワインが造られています。また、ドイツの醸造所のワインリストには、赤ワインのキュヴェ(ブレンドワイン)が頻繁に見られるようになりました。キュヴェは赤のブルグンダー系品種であるシュペートブルグンダーとフリューブルグンダー、またはサン・ローラン(ザンクト・ラウレント)で構成されるものもあれば、近年ドイツでも栽培が可能になっているグローバル・プレイヤー品種、カベルネ・ドーヴィニヨンやメルロで構成されているものもあります。

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